こんにちは!システムファイブのDJIコンシューマーチームです。
今回はついに出たDLシリーズ初の中望遠、 DJI DL 75mm f1.8 についてです。
待望の中望遠レンズです!
そもそもDLレンズって?
弊社Webサイトをご覧の方はご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、DJIのDLレンズは「DLマウント」というDJI製のレンズ交換式カメラ用に対応するレンズになります。
現行品での主な対応カメラはフルサイズセンサーを搭載したZenmuseシリーズ。6K動画が撮影可能なZenmuse X7や、8K動画が撮影可能なZenmuse X9がラインナップされています。
これらが使われている現行品は、空撮ドローンの最高峰であるInspire 3 や、大型のジンバルカメラである Ronin 4Dなどです。
今まで無かった中望遠
そうした美麗な映像をウリにした機種たちではありますが、今までのレンズのラインナップは以下の通り。
・DL 18mm F2.8 ASPHレンズ
・DL 24mm F2.8 LS ASPHレンズ
・DL 35mm F2.8 LS ASPHレンズ
・DL 50mm F2.8 LS ASPHレンズ
・DL PZ 17-28mm T3.0 ASPH(Ronin 4D のみ)
上記を見ていただいてわかる通り、50mmまでの標準レンズまでしかなく、中望遠での撮影が事実上純正レンズでは出来ない状態でした。
そのため、空撮で中望遠を使いたい場合は、DJI Mavic 3 ProやDJI Air 3を利用するしか選択肢がありませんでしたが、今回の登場により Inspireシリーズでも中望遠で撮影可能になります!
今回も非常にコンパクトな外見で登場したDL 75mm f1.8。
スペックとしては以下のようになります。
名称 | DJI DL 75 mm F1.8 ASPH |
センサーサイズ | フルフレーム(36 mm×24 mm) |
焦点距離 | 75mm |
最近撮影距離 | 0.9m |
F値 | F1.8~F22 |
フィルター径 | 55mm |
マウント | DL マウント |
レンズサイズ | φ64.5 x 72 mm |
重量(フード含) | 約269g,カウンターウェイト168g,総重量437g |
動作温度 | -10℃ ~ 55℃ |
気になる価格は税込みで231,000円。
フルサイズ対応の75mm f1.8でこれだけ軽量なものをこの価格で用意できるのは、DJIならではではないでしょうか。
なお、今回のレンズでは、カメラに取り付ける際に付属のカウンターウェイトが必要となります。付属ということで特に準備物が必要なわけではないためご安心ください。(取り付け方などについては、次回のDL 75mm の記事にて掲載予定です!)
基本的なところをご説明させていただいたところで、次の項目にて、実際の写りをいち早くレビューさせていただきます!
実際の使用感や写りについて(画角編)
50mm
75mm
まずは純粋な画角の比較から。
1枚目はDL 50mm、2枚目はDL 75mmにて撮影された写真です。焦点距離が今までの1.5倍となったことにより、遠くの被写体をぐっと引き寄せて撮影することができます。
続いて、もう少し近距離の作例を。
50mm
75mm
こちらも、1枚目は50mm、2枚目は75mmで撮影しています。
被写体が近づいたことにより、遠景にうっすらと背景ボケの効果が生まれており、それによって遠近感が50mmに比べてかなり強調されています。望遠での表現といったものがだいぶ行いやすくなりました。
実際の使用感や写りについて(ボケ量・ボケ味編)
こうした画角の違いだけでなく、今回のレンズには他のDLにはない最大の特徴があります。それは、f1.8であるということ。
写真撮影を専業にしている方であればピンとくる方も多いのですが、f2.8のレンズとf1.8のレンズでは大きくボケ量が変わります。さらに、50mmと75mmでもボケ量が変わるため、DL75mmは圧倒的なボケ量を手にしています。ある種、DLレンズ史上、「もっとも近距離撮影が似合う」レンズといっても過言ではないのでしょうか。
実際の作例です!
こちらがDL50mm f2.8での作例です。
続いて、DL 75mm f1.8での作例をどうぞ!
……いや、いいですね。とてもいいです。
圧倒的なボケ量が、背景の草のボケ具合からわかるのではないでしょうか。
ややレンズフレアは出ていますが、個人的にはこうした被写体の場合では好印象です。
ポートレート等の撮影の際や、シネマティックな表現をされる場合は、第一の選択肢となることは間違いないレンズになりそうです。
DL75mm ファーストインプレッション
今回のレンズによって、ようやくInspireシリーズにおいて、映像表現として必要だったものがいったん全てそろったように感じています。
特に最後の作例のようなボケ感を活かした表現は、空撮現場で重宝されるのではないでしょうか。Super 35mmでの収録では113mmになることからも、実際のヘリ撮影に迫る表現もいろいろと行えるようになりそうです。
ぜひ一度手にしてほしい、そんなレンズですね。
最後に注意事項(241126更新: Ronin 4Dでも使用可能に!)
一点注意としては、本レンズは、「現時点ではInspire 3 にのみ対応」とのことです。Ronin 4D はアップデートにて対応予定とのことなので、続報をお待ちいただけますと幸いです。
⇒2024.11.26のアップデートにより、Ronin 4Dにも正式に対応いたしました!
待望の中望遠により、ますます広がりを見せるDJIのエコシステム。
今後もどのようなレンズが出るか非常に楽しみですね。