導入編
※本記事の内容は作成時点の情報に基づいています。最新の仕様や情報は変更される可能性があります。
■導入方法について
まず、FlightHub 2を導入する方法について解説します。
導入方法はいたって簡単で、下記サイトにブラウザでアクセスしてお使いのDJIアカウントでログインするのみです!
FlightHub 2 アカウントは個人で作成・管理を
FlightHub 2を会社で運用する場合、DJIアカウントの取り扱い方法は非常に重要なポイントです。よくあるケースとして、会社で共通のDJIアカウントを複数人で使用することが考えられます。しかし、FlightHub 2では、DJIアカウントを個人で作成・管理することを強く推奨します。
なぜ個人アカウントが必要なのか?
その理由は、FlightHub 2の仕様にあります。同一のDJIアカウントでは、同時に複数デバイスからのログインができないのです。もし共通アカウントで複数人がログインした場合、先にログインしていた人が強制的にログアウトされてしまいます。
これは、特にDJI Dock 3などのドック製品を使用している場合に深刻な問題を引き起こす可能性があります。例えば、ドックで飛行ルートを実行中に、別の人が同じアカウントでログインしてしまうと、ドックを操作していた人がFlightHub 2から切断されてしまうのです。最悪の場合、ドローンの制御を失い、事故につながる可能性も否定できません。そのため、DJIアカウントは個人で作成していただき、ログインをお願いします。
■初期設定について
FlightHub 2を使い始めるにあたって、最初のステップは初期設定です。ここでは、スムーズな導入のために必要な4つのステップについて詳しく解説します。
ステップ 1:組織の作成
まず、FlightHub 2上に所属する組織を作成します。これは、FlightHub 2を利用する上での基盤となります。例えば、株式会社システムファイブであれば、「システムファイブ」という組織を作成します。
組織の作成方法の詳細はコチラ
組織の作成方法
初めて作る場合
左側の「Create a New Organization」を選択します。
簡単なアンケートにご回答いただいた後、組織の名前を設定します。
組織の名前を設定して、「OK」を選択すれば以下の画面に移ります。
既存のプロジェクトに参加する場合
(補足)既に組織に参加していて、新たな組織を作りたい場合
右上のDJIアカウントを選択して、「My Organization」を選択します。
今現在所属している組織の一覧が表示されるため、左上の「Create Organization」から新たな組織を作成可能です。
ステップ 2:プロジェクトの追加
次に、作成した組織にプロジェクトを追加します。プロジェクトとは、FlightHub 2で管理をする現場のことです。各プロジェクトごとに、組織に属したメンバー(人員)・デバイス(機材)を追加したり、現場ごとにドローンの画像データ・モデルデータを管理します。
ドック製品利用であればドックの設置箇所の現場ごとに、ドローンであれば作業現場ごとに作成するのを推奨します。
組織を作成すると、自動的にプロジェクト「DEMO-A Warehouse」が作成されます。
このプロジェクトには、既に見本としてオーストラリアのメルボルンの現場の様子や、現地でドローンで撮影したデータ・クラウドマッピングしたモデルのサンプルがインポートされています。
新規プロジェクトの作成方法の詳細はコチラ
新規プロジェクトの作成方法
画面左上のProject Listの右にある「+」アイコンを選択します。
プロジェクトの設定画面に移動するので、プロジェクトの名前「Project Name」と現場の簡単な位置「Project of Interest」を設定します。
(Set POIを選択し、右側の地図上で現場の位置をクリックすることで設定できます。)
設定が完了したら、「Create Project」を選択し仮作成完了です。
作成完了したら、左下のアイコン「Back to project list」で組織の画面に戻ります。
組織にプロジェクトが追加されているのが確認できるので、
①プロジェクトの「…」アイコンから「Edit」を選択
②プロジェクト設定から「Join Project with Code」を選択
③「Join Project with Code」を有効化して、プロジェクトのコードを発行
この操作をすることで、このプロジェクトのIDとCodeが確認できます。
ステップ 3:メンバーの追加
その次に、作成した組織にメンバーを追加します。メンバーとは、FlightHub 2を操作するユーザーのことです。例えば、営業チームのメンバーや技術担当メンバー・閲覧のみしたいお客様etc.を追加します。
そして、それぞれのメンバーに組織における権限(Role)を与えることで、各々が利用できる機能を制限することができます。
組織における権限は大きく分けて3つあり、それぞれ
1、Super Admin または Organization Admin → 全ての機能が利用可能
ex)営業チームやシステム管理者に対して設定
2、Device Maintainer → プロジェクトの閲覧・デバイスの追加およびファームアップ・デバッギングのみ可能
ex)修理チームに対して設定
3、Member → プロジェクトの閲覧・デバイスの追加のみ可能
ex)デモ会のお客様に対して設定
といったように割り当てて、メンバーの管理が可能でございます。
メンバーの組織への追加方法の詳細はコチラ
メンバーの組織への追加方法
画面上部の「Members」を選択すると、メンバー管理画面に移動します。
左上の「Add members」を選択後、
追加したいメンバーの
・DJIアカウント (FlightHub 2 Account)
・名前 (Name)
・権限 (Role)
を設定し、「OK」を選択すれば組織への追加完了です。
※多数のメンバーを追加したい場合は、メンバー情報を入力したエクセルファイル(テンプレート有)をアップロードすることでも追加可能です。
このように組織に追加したメンバーを、先ほど作成したプロジェクト(担当の現場)に追加していきます。
また、プロジェクトへ追加する場合もメンバーごとに権限を与えることができます。
プロジェクトにおける権限は大きく分けて2つあり、それぞれ
1、Project Admin → プロジェクト内における全ての機能が利用可能
ex)現場の管理者、デバイスの遠隔操作の実行者に対して設定
2、Project Member → プロジェクト内における閲覧・ファイル追加機能が利用可能
※プロジェクトに追加されたメンバー・デバイス情報の表示や、ドローンの映像モニタリング、地図へのモデルインポート、飛行ルートの作成や飛行プラン(ドック)の閲覧はできますが、プロジェクト情報の編集やメンバー・デバイスの削除、モデルの削除、飛行プラン(ドック)の実行は行うことができません。
ex)デモ会に参加しているお客様、データを共有する依頼者様に対して設定
といったようにプロジェクトに対して配属されたメンバーの権限を割り当てて、メンバーの管理を推奨します。
メンバーのプロジェクトへの追加方法の詳細はコチラ
メンバーのプロジェクトへの追加方法
画面上部の「Projects」を選択すると、プロジェクトの一覧画面に移動します。
①プロジェクトの「…」アイコンから「Edit」を選択
②プロジェクト設定から「+Add Member」を選択
③組織に追加されたメンバーが表示されるので、追加したいメンバーのチェックボックスを選択
メンバーがプロジェクトに追加されるので、▼アイコンをクリックして与える権限を「Project Admin」「Project Member」から選択します。
選択後、「Done」を選択し設定完了となります。
ステップ 4:デバイスの追加
最後に、組織にデバイスを追加します。ここでいうデバイスとは、DJI産業機のドローンやドックなどの機材のことです。
具体的には、
・DJI Dock
・DJI Dock 2
・DJI Dock 3
・Matrice 4D シリーズ (Matrice 4D/Matrice 4TD) ※Dock 3用モデル
・Matrice 3D シリーズ (Matrice 3D/Matrice 3TD) ※Dock 2用モデル
・Matrice 4 シリーズ (Matrcie 4E/Matrice 4T)
・Mavic 3 Enterprise シリーズ (Mavic 3 Enterprise/Mavic 3 Thermal)
・Matrice 30 シリーズ (Matrice 30/Matrice 30T/Matrice 30T(Dock用モデル))
・Matrice 300/350 RTK シリーズ
が該当します。
これらの機材を組織またはプロジェクトに追加することで、FlightHub 2 から一元的に管理・運用できるようになります。
※ドローンの機体の場合はプロジェクトに直接追加する必要があり、ドック製品を追加する場合は一旦組織に追加してからプロジェクトに追加する必要があります。
デバイス追加方法の詳細はコチラ
デバイス追加方法
1.機体のプロジェクトへの追加方法
追加したい機体と送信機の電源を入れ、DJI Pilot 2に入ります。(※送信機をネットワークに接続する必要があります。)
① 左上隅のアイコンをタップし、お使いのDJIアカウントでログインします。
② 「Cloud Service」から「FlightHub 2」を選択し、追加先のプロジェクトのIDとCodeを入力すればログインができます。次回以降ログイン時は前回ログインしたプロジェクトに自動でログインします。
ログイン後、送信機の画面上にプロジェクト情報が表示されます。「Device Binding」を選択すると、機体がプロジェクトおよび組織にバインドされます。
バインド後は、FlightHub 2の画面上部の「Devices」を選択してデバイス管理画面に移動し、「Aircraft」を選択すれば、バインドされた機体の情報が確認できます。機体情報の編集や削除も行えます。
2.ドック製品(Dock 3以外)の組織およびプロジェクトへの追加方法
組織へのバインド方法
まず、DockのUSB-Aポートに付属の送信機をUSBケーブルで接続します。
送信機の電源を入れるとPilot 2が自動で開くので、下記のクラウドサービス設定画面が表示されるまで進みます。
「Cloud Service」→「DJI FlightHub 2」を選択し、
・Org ID →FlightHub 2から確認
・Binding code →FlightHub 2から確認
・Dock name →ご自由に設定してください。
を入力します。
■組織ID「Org ID」と紐付け用コード「Binding code」の確認方法
画面上部の「Devices」を選択すると、デバイスの管理画面に移動します。
「Device Binding」を選択します。
「Org ID」と「Binding code」が確認できます。
情報入力後に「OK」を選択すれば、ドックがまず組織へバインドされます。
プロジェクトへのバインド方法
画面上部の「Devices」を選択して、デバイスの管理画面に移動します。
組織へバインドされているドック製品のうち、プロジェクトへバインドさせたいドックの一番右の「…」から「Edit」を選択します。
① こちらをクリックして、バインドしたいプロジェクトの一覧を表示させます。
② バインド先のプロジェクト名を選択します。
③ チェックアイコンを選択して、設定を更新します。
以上でドックのプロジェクトへのバインドが完了となります。
以上の4ステップで、初期設定が完了となります。次項は本格的な運用にかかわるプロジェクトの設定について詳しく解説していきます!
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